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2025.05.23_終活~生前整理~

今回のテーマは「生前整理」

皆さんの自宅は整理整頓ができていますか?「できている」と自信をもって言える人はどれくらいいらっしゃるでしょう。自宅をリフォームしたついでに整理をされた方もいるでしょうが、それでも「もの」は増えて、そのものを捨てられない方は多いと思います。

何故、「もの」が増えて、それを捨てられないのでしょうか。その理由は2つのタイプがあります。

①過去に執着したために捨てられないタイプと、②未来に不安を抱くために捨てられないタイプです。どちらかというわけではなく、「もの」によって違うと思います。

過去執着型

 いまはもう使っていない過去の遺物を取っておくタイプです。遺物とは、写真や手紙(年賀状を含む)です。

 かつての幸せな時代だった時へのこだわりです。

確かに、写真は過去を思い出させることができます。しかし、大抵の方は、フエルアルバム等で何冊も持っていて、その置き場に困る状態です。

年賀状も、いつからの年賀状なのかわからないほどの塊で、今はもう付き合いのない方の年賀状ですらとっておく状態です。自分では意識していませんが、それだけ付き合いがあったのだという過去に執着しているのかもしれません。

とはいっても、それらを見ることはないのですが。

未来不安型

 もう一つは、未来起きることに対して、それを取っておくタイプです。

洋服がこれにあたります。つまり、何年も来ていない洋服を、まだ着れるのではないかと毎季節ごとに出したり奥にしまっておいたり、結局、サイズも柄もスタイルも時代にそぐわなくなっているにもかかわらず、着る準備をしています。

また、お歳暮やお中元、年始の挨拶でもらったタオル等も箪笥の奥にしまい込んでいませんか?

サンクコスト(埋没費用)の呪い

 経済学では、「サンクコストの呪い」というものがあり、「今まで頑張ってやってきたのに、今さらここにきて辞めるなんてもったいない!」という合理的な選択ができなくなって、結果的にみると損をするというもので、皆さんもその経験があるのではないでしょうか。

 サンクコスト(埋没費用)とは、すでに取り戻すことが不可能な費用のことです。

 すでに、お金等を出して家の中にある「もの」は、もう取り戻すことは出来ません。

 せっかくお金を出して買ったんだから、壊れるまで使い切ろう。

 せっかくお金を出して買ったんだから、いまサイズが合わない洋服だけど、そのサイズが着れる体になったら着よう。

 せっかくお金を出して買ったんだから、一度も袖を通していないなんてもったいない。

 こういった、最初にかかる費用がサンクコストであるという考え方ができずに、その費用に固執してしまい、結局、「もの」を捨てられず、「もの」が増えてしまうのです。

 人間は、「せっかくお金を出して買ったのに」「せっかくもらったのに」という感情によって、ものを捨てられなくなっているのです。

家庭内事故

 さて、事故というものはどこで起こるかご存じですか。事故と言えば交通事故という言葉が出てきますが、実は、事故というものは、圧倒的に家庭内で起こっているのです。

そして、その中でも一番発生場所として多いのが居室です。

 台所は、ある程度予想できたと思いますが、その台所よりも居室のほうが発生場所として多いという事実を知っていただきたいのです。

 今回の話の目的が、ようやく見えてきました。

 家の中に「もの」が多いということは、大きな自宅に住んでいても、「もの」があるために行動が制限されます。その制限された行動により、事故が発生するのです。

 ここで理解してほしいのは、高齢者が自宅で事故にあった時に、他の家族がいらっしゃるかどうかだと思います。

 今の日本では核家族化が進んで、一緒に暮らしている家族が少なくなっています。

 通常、65歳以上の方は、配偶者と住んでいるか、それとも独居(おひとり様)です。おひとり様が家庭内で事故にあったら・・・というのことを考えていただきたいのです。

 そのために、整理が必要だと言っているのです。

第38回 相続と終活の相談室

行政書士家族信託専門士 中家 好洋

エンディングノート・終活の手引き等資料 プレゼント 0120-47-3307 へ連絡ください。

千葉ニュータウンニュース5月号より

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