第四回 師戸地区の魅力 その①
アトリエ炎 柳建太郎さん
柳さんの工房「アトリエ炎」は印旛沼にほど近く、前号でご紹介した「「お菓子工房 梛」から細い道を少し下ったところにあります。(お散歩 MAP 参照)
少年時代の柳さん
柳さんは1969年、東京生まれ。生後5ヶ月で父親が他界、少年時代は、ひとりで遊ぶことが多かった。特にプラモデルの制作に熱中、月に一回、自転車で隣町のおもちゃ屋さんにプラモを買いに行き、食事もとらずにあっという間に組み立て、そしてそれを元のピースごとに戻し、更には、すぐに違ったフォームのものに作りあげることを繰り返す、非常に個性的な少年だった。
グラスワークに目覚める
18~23歳の頃は、「自分は何をしたいのか」「自分は何をやるべきなのか」答えが見つからず、昼はダンプの運転手、夜はバーテンダーをしたりして、悶々とした日々が続いていた。24歳のある日、船橋市の東武デパートで「アール・ヌーヴォーのランプの展示会」を見てその斬新さに衝撃を受けた。自分がやりたいのはこれと、グラスだ、ついに見つけたと思った。それ以来、自分のイメージしたグラスを創るための技術をまず取得したい、しなければと強く思い、職人として吹きガラスの工場や、バーナーワークの工場を転々として技術を身につけ、磨いていった。先輩の職人から指導を受けるのは簡単ではなく、現場でのいじめや暴力も少なからずあったという。

転機は2019年
2005年、自分自身のグラスワークの制作場所として、アトリエ炎を設立。しかし、経済的には苦しい時代が続く。転機が来たのは、コロナ直前の2019年、作品が評価され米国・カナダ等、海外からデモ・展示会・レクチャー等のオファーをいただけるようになった。国内では日本クラフト大賞、経済産業大臣賞もいただいた。独創性が評価されたようだ。この年、50歳、「いつか・・・はない、一気にやろう」と弾みがついたという。
私の作品
ある人が、「あなたは気づいていないかもしれないが、あなたのやっていることは、工芸ではなく現代アートだよ」と話したという。柳さんは、「自分は、変わっている事をやっているつもりはない。いわばプラモデルの延長、自分自身は好きなことをただひたすらやってきただけ」「空間をガラスで演出する。自分は自由人でありたい」とも語る。
柳さんのメッセージ これからは、人材育成に力を入れていきたい
「私は、自分の追求する技術を学ぶ為、ガラス職人として転職を繰り返し、職場を渡り歩きました。作家として職人として独立をしましたが、食べていけるには相当な時間がかかり、遠回りをしてきました。アトリエ炎ではカルチャースクールとしてではなく、ガラスの教育機関(大学、専門学校)卒業生、経験者、これから作家を目指す方、すでに作家活動をしている方を対象に、希望があれば、マネジメントも含め最短距離で夢が実現するよう手助けし、指導をしていきます。」と話す。
(普段工房は一般開放しておりません。見学をご希望の方はご連絡してから来てください。)






柳 建太郎 やなぎけんたろう (ガラス造形作家、大学講師、漁師、猟師、養蜂家)足跡
1993年 東京ガラス工芸研究所卒業 ステンドグラス、吹きガラス、理化学ガラスの職人として技術を習得する
2004年~ 静岡文化芸術大学 非常勤講師
2005年 個人工房「アトリエ炎」竣工 創作の傍ら印旛沼で漁も始める(漁期11月から 約1か月半の引き網漁)
2006年 ものつくり大学 非常勤講師(~2021年)
2010年 興和商事 ステンドグラス普通科講師(~2019年)
2011年〜 新島国際ガラスアートフェスティバル T.A.
2014年 Darma Persada University(インドネシア) ワークショップ講師
JLWSA「一般社団法人 日本がラス細工技能者協会」理事
2015年~ 東京ガラス工芸研究所 講師
2019年 日本クラフト大賞、経済産業大臣賞受賞
Glassscope(バンクーバー)デモンストレーション&レクチャー
GAS Conference(フロリダ)デモンストレーション
Pilchuck Glass School(シアトル) ワークショップ講師
ILGAF(中国)デモンストレーション&レクチャー
2021年 いちはらアートミックス2020+ 出展、以後恒久展示
2022年 瀬戸内国際芸術祭(女木島) 出展、以後継続展示
牛久Reデザインプロジェクト 出展
2023年 新島国際ガラスアートフェスティバル 講師
2024年BOOM BILL(韓国)デモンストレーション
2025年 SELAM COMMUNITY COLLEGE GLASS CENTER 注目アーティストとしてデモンストレーション、最優秀賞受賞
Clayarch Gimhae Museum グループ展示「Glass:Born of light Shaped by fire」
瀬戸内国際芸術祭 女木島出展
「千葉うみさとラインプロジェクト」を通して印旛沼を考える
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2025.09.19_「千葉うみさとラインプロジェクト」を通して印旛沼を考える
第三回 師戸地区の魅力 その③
2025.09.18_「千葉うみさとラインプロジェクト」を通して印旛沼を考える
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2025.09.16_「千葉うみさとラインプロジェクト」を通して印旛沼を考える
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