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2025.10.14_「千葉うみさとラインプロジェクト」を通して印旛沼を考える

第四回 師戸地区の魅力 その①

アトリエ炎 柳建太郎さん

柳さんの工房「アトリエ炎」は印旛沼にほど近く、前号でご紹介した「「お菓子工房 梛」から細い道を少し下ったところにあります。(お散歩 MAP 参照)

少年時代の柳さん

 柳さんは1969年、東京生まれ。生後5ヶ月で父親が他界、少年時代は、ひとりで遊ぶことが多かった。特にプラモデルの制作に熱中、月に一回、自転車で隣町のおもちゃ屋さんにプラモを買いに行き、食事もとらずにあっという間に組み立て、そしてそれを元のピースごとに戻し、更には、すぐに違ったフォームのものに作りあげることを繰り返す、非常に個性的な少年だった。

グラスワークに目覚める

18~23歳の頃は、「自分は何をしたいのか」「自分は何をやるべきなのか」答えが見つからず、昼はダンプの運転手、夜はバーテンダーをしたりして、悶々とした日々が続いていた。24歳のある日、船橋市の東武デパートで「アール・ヌーヴォーのランプの展示会」を見てその斬新さに衝撃を受けた。自分がやりたいのはこれと、グラスだ、ついに見つけたと思った。それ以来、自分のイメージしたグラスを創るための技術をまず取得したい、しなければと強く思い、職人として吹きガラスの工場や、バーナーワークの工場を転々として技術を身につけ、磨いていった。先輩の職人から指導を受けるのは簡単ではなく、現場でのいじめや暴力も少なからずあったという。

作品タイトル ポップコーンマシンガン
作品タイトル ポップコーンマシンガン

転機は2019年 

 2005年、自分自身のグラスワークの制作場所として、アトリエ炎を設立。しかし、経済的には苦しい時代が続く。転機が来たのは、コロナ直前の2019年、作品が評価され米国・カナダ等、海外からデモ・展示会・レクチャー等のオファーをいただけるようになった。国内では日本クラフト大賞、経済産業大臣賞もいただいた。独創性が評価されたようだ。この年、50歳、「いつか・・・はない、一気にやろう」と弾みがついたという。

私の作品

 ある人が、「あなたは気づいていないかもしれないが、あなたのやっていることは、工芸ではなく現代アートだよ」と話したという。柳さんは、「自分は、変わっている事をやっているつもりはない。いわばプラモデルの延長、自分自身は好きなことをただひたすらやってきただけ」「空間をガラスで演出する。自分は自由人でありたい」とも語る。

柳さんのメッセージ これからは、人材育成に力を入れていきたい

「私は、自分の追求する技術を学ぶ為、ガラス職人として転職を繰り返し、職場を渡り歩きました。作家として職人として独立をしましたが、食べていけるには相当な時間がかかり、遠回りをしてきました。アトリエ炎ではカルチャースクールとしてではなく、ガラスの教育機関(大学、専門学校)卒業生、経験者、これから作家を目指す方、すでに作家活動をしている方を対象に、希望があれば、マネジメントも含め最短距離で夢が実現するよう手助けし、指導をしていきます。」と話す。

(普段工房は一般開放しておりません。見学をご希望の方はご連絡してから来てください。)

作品タイトル 「The moment in the atmosphere」 雨が降っている空間の瞬間を切り取った作品。
① 作品タイトル 「The moment in the atmosphere」 雨が降っている空間の瞬間を切り取った作品。
②	雨をモチーフにした①の作品パーツ
クレイアークミュージアム(韓国釜山)で開催中の「Glass: Born of light Shaped by fire」にて展示中(10月26日まで) 
② 雨をモチーフにした①の作品パーツ クレイアークミュージアム(韓国釜山)で開催中の「Glass: Born of light Shaped by fire」にて展示中(10月26日まで) 
③	作品タイトル 「小さなお店プロジェクト『「ガラス漁具展』」
③ 作品タイトル 「小さなお店プロジェクト『「ガラス漁具展』」
④	作品タイトル 「「Pleasure Land」 柳氏の代表作 1,000個以上のガラス釣り針と、雲と合わせて展示。会場に入ると雲の上に浮いているような気分になる。
どちらも瀬戸内国際芸術祭2025(女木島)で展示中(11月9日まで)
④ 作品タイトル 「「Pleasure Land」 柳氏の代表作 1,000個以上のガラス釣り針と、雲と合わせて展示。会場に入ると雲の上に浮いているような気分になる。 どちらも瀬戸内国際芸術祭2025(女木島)で展示中(11月9日まで)
⑤	IFCインターナショナルフレームワーキングカンファレンス(IFC)2025 最優秀賞 アメリカのガラス教育機関であるセーラムコミュニティカレッジにて世界中からアーティストが集まりデモンストレーションを行うイベントで、今年1番の注目アーティストとして最優秀賞を受賞した。
⑤ IFCインターナショナルフレームワーキングカンファレンス(IFC)2025 最優秀賞 アメリカのガラス教育機関であるセーラムコミュニティカレッジにて世界中からアーティストが集まりデモンストレーションを行うイベントで、今年1番の注目アーティストとして最優秀賞を受賞した。
⑦	柳さん 印旛沼での引き網漁
⑦ 柳さん 印旛沼での引き網漁

柳 建太郎 やなぎけんたろう (ガラス造形作家、大学講師、漁師、猟師、養蜂家)足跡

1993年   東京ガラス工芸研究所卒業 ステンドグラス、吹きガラス、理化学ガラスの職人として技術を習得する

2004年~ 静岡文化芸術大学 非常勤講師

2005年   個人工房「アトリエ炎」竣工 創作の傍ら印旛沼で漁も始める(漁期11月から 約1か月半の引き網漁)

2006年   ものつくり大学 非常勤講師(~2021年)

2010年   興和商事 ステンドグラス普通科講師(~2019年)

2011年〜 新島国際ガラスアートフェスティバル T.A.

2014年   Darma Persada University(インドネシア) ワークショップ講師

JLWSA「一般社団法人 日本がラス細工技能者協会」理事

2015年~ 東京ガラス工芸研究所 講師

2019年   日本クラフト大賞、経済産業大臣賞受賞 

Glassscope(バンクーバー)デモンストレーション&レクチャー

GAS Conference(フロリダ)デモンストレーション

Pilchuck Glass School(シアトル) ワークショップ講師

ILGAF(中国)デモンストレーション&レクチャー

2021年 いちはらアートミックス2020+ 出展、以後恒久展示

2022年 瀬戸内国際芸術祭(女木島) 出展、以後継続展示

牛久Reデザインプロジェクト 出展

2023年 新島国際ガラスアートフェスティバル 講師

2024年BOOM BILL(韓国)デモンストレーション

2025年 SELAM COMMUNITY COLLEGE GLASS CENTER 注目アーティストとしてデモンストレーション、最優秀賞受賞

Clayarch Gimhae Museum グループ展示「Glass:Born of light Shaped by fire」

瀬戸内国際芸術祭 女木島出展

「千葉うみさとラインプロジェクト」を通して印旛沼を考える

過去記事はコチラ↓

2025.09.19_「千葉うみさとラインプロジェクト」を通して印旛沼を考える

第三回 師戸地区の魅力 その③

2025.09.18_「千葉うみさとラインプロジェクト」を通して印旛沼を考える

第三回 師戸地区の魅力 その②

2025.09.16_「千葉うみさとラインプロジェクト」を通して印旛沼を考える

第三回 師戸地区の魅力 その①

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