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2025.11.19_いんざいの生きもの紹介

第十八回「ツクバトリカブト」

暑く長かった夏が終わってホッとする間もなく、短い秋があっという間に過ぎていこうとしています。四季の急激な変化に戸惑っているのは、おそらくニンゲンだけではないでしょう。  今回は、秋に咲く花の女王様と私が勝手に思っているツクバトリカブトをご紹介します。実は、この欄に印西の自然の紹介をするようになったのも、このような美しい花がどんどん消えていくのをただ嘆くのではなく、身近にこのような花たちが咲いていたことをお知らせしたいと願ったからです。

第十八回「ツクバトリカブト」

 トリカブトという名前、小鳥さんが戦いに行く時の兜なのだろうか、物騒な名前だと思っていました。名前の由来を調べると、舞楽で使われる、頭に被る装束の一つとあり、実に雅な名称であったと知りました。とはいえ、舞楽の鳥兜といってもどんなものだかわかりません。ネットを見ると、徳川家所蔵など、文化財や、地域の神楽に使われるものが紹介されていました。

 毒のある植物としても知られていますが、ミステリーでは、ジキタリスなどに比べると、登場頻度は多くないようです。私の好きな修道士カドフェルシリーズでは、『修道士の頭巾』の中で、殺害の毒薬として使われています。トリカブトの英語名が「MONK’S‐FOOD」なので、そのままです。ちなみにカドフェルシリーズでは、痛み止めや咳止めなどに、オトギリソウなどの里山の在来の草花が、薬草として登場するので、それも興味深いのです。

 紫色の花、ツクバトリカブトは、華やかでもきらびやかでもないのに、静謐な輝きとでもいうのでしょうか、里山の林縁で際立った存在感を誇っていました。

 駅から少し歩くと田園風景があるのが魅力だとケビン・ショートさんがおっしゃっていた頃は、田んぼ脇の斜面林の中にひっそりと咲いていたり、道端に普通の花ですという感じで咲いていたり、よく見かけました。秋の里山散歩が様々な美で出会う楽しみだった頃の話です。

提供 亀成川を愛する会

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